Tokyo Choral Association

こらむあんだんて No.196


合唱との出逢い

豊島岡女子学園中学校高等学校 コーラス部顧問 柴田 由美

ウン十年前の高校1年生、最初の合唱の時間。そのときの衝撃は今でも覚えています。先輩方が私たちの前で、前年のコンクールで歌った曲「機織る星」を歌ってくださいました。前奏のアルペジオに乗って「目を閉じれば」と歌います。その「目を」という最初の2つの和音を聴いただけで、私の涙腺は一気に崩壊してしまったのでした。その後鳥肌が立ちっぱなし。もう涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃ。目の前に深い宇宙が広がり、そこに様々な色彩のシャワーが降り注いできたような感覚…それが合唱に魅せられた瞬間でした。そして私にとって高3の先輩方は、羽衣をまとい慈愛の目で導いて下さる織女そのもの、畏れ多くて遥か彼方のお方、しかし激しく憧れる存在になりました。なにしろ眩しすぎて目を見られません。先生の話すことより先輩のお話の方が何倍も説得力があったように思います。かといって先輩から言われたことをどれだけを理解していたかというと…私の頭の中は空っぽでした。それが2年生になると、少し先輩と近い関係になれたような気がします。ある程度言われたことが分かるようになり、合唱も余裕を持って楽しめるようになったからでしょうか。そして3年生。あれほど憧れた「先輩」のように自分がなれたかというと…やっぱり世の中そんなにうまく行くわけがありません。歌が苦手で劣等感を持っていた私は、頑張るリーダーたちのかげに隠れて「権威」なんてどこへやら。先輩として育つ機会を失ってしまったのです。まったくお恥ずかしい「名前だけ」の先輩でした。
そんな私が今では人に教えています。態度だけ大きくて相変わらずダメダメな私が心配なのか、生徒はしっかりした子の集まりになりました。ありがたいことです。すぐにギャーギャー騒ぐ私を横目に、にこやかに周りを気遣いながら立派に振る舞う先輩たちは、相変わらず下級生の憧れの的です。本当にすごいなぁ、羨ましい。
学校の合唱は1年たつと人が入れ替わります。生徒にとっては毎年新しい学年・新しいメンバーですから、色々と学べるようにこちらも新鮮な気持ちでいかないとダメですね。
次年度の先輩たち、あなたたちはいきなり先輩になれるのではありません。苦労しながら少しずつ成長して先輩になっていくのです。また周りが立派な先輩として育ててくれるのです。頑張りましょう!

柴田 由美

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