Tokyo Choral Association

著作権便利帖 3


著作権便利帖vol.3

 

テーマ:「楽譜を買うこと」と「演奏会を開くこと」

音楽を創ってくれたひとたちへの「お礼」をどう考えるか?

一回お休みを戴いたこの「著作権便利帳」、ひさびさですのでまた前号のことを思い出してみましょう。前号、Q7の結びは、こうでした。

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私たちにとって、「音楽を創ってくれた人」というのは、どういう人たちでしょうか?

①作曲家や詩人、つまり作品を創ってくれた人

②作品を楽譜にして出版してくれた人や会社

③作品を演奏してくれた人

④その演奏をCDやDVDにして出版してくれた人や会社

このうち、②と④の人や会社に対する「お礼」というのは比較的わかりやすいですよね。私たちは、楽譜やCDを買う、という行為を通じて、出版社やレコード会社にお礼をしています。

③もわかりやすいでしょう。コンサートのチケットを買うこと。あるいは、私たちの合唱団で指揮をしてくれる先生、共演をしてくれるピアノやその他楽器奏者さんに、謝礼(ギャラ)をお払いする。それが演奏に対するお礼です。

こうして、私たちは音楽を創ってくれる人や会社に、直接的なお礼をしています。また、出版社やレコード会社は、出版に際して作曲家、詩人、演奏家に代価を支払っている訳で、私たちが支払う楽譜代やCD代の一部は、間接的にそうした人たちへもまわっています。ここで、前回の最後の疑問がまた出てきます。

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☞こたえ:う〜ん。難しい問題です。あくまで「ひとつの考えの整理の仕方」ですが、こうは考えられないでしょうか。

■出版社やレコード会社は、作者や演奏家との間で「取り引き」をしている。つまり、作者や演奏家に代価を払うことで、楽譜やCDを作って売ることができる、という関係です。(たとえば楽譜に関していえば、出版社は作者の許可をもらい、「作品を複製(印刷・出版)する著作権利用料」を払っている、ということ。)

■私たちユーザーは、出版社やレコード会社との間で「取り引き」をしている。つまり、楽譜やCDに対する代価を払うことで、楽譜やCDを手に入れることができる、という関係です。(たとえば楽譜に関していえば、私たちが払う楽譜代のなかには、出版社が作者に払った「作品を複製する著作権利用料」を含め、印刷代その他経費など、出版に係わるコストが含まれている、ということ。)

こうして私たちユーザーは、楽譜やCDを手に入れることができました。でも、CDの虹色に光る円盤をただ眺めていてもしょうがないですよね?CDは、(個人として楽しむ範囲内で)再生して音楽を聴いてこそのCDです。

楽譜はどうでしょうか?「楽譜フェチ」という人もたまにいて、譜面を眺めたり、匂いを嗅いでみたり、表紙のデザインを愛でてみたり、作者のまえがきを読む。誤植をみつける。本棚に入れる。そんな趣味をお持ちの方もいらっしゃるとは思いますが、合唱団というのはやはり「演奏家」の一員ですから、楽譜を買ったら、それをみんなで歌ってみたくなるのが人情です。

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まさにそのとおりで、楽譜を買った訳ですから、私たちはその楽譜を自由に読んで歌う権利がある訳です。しかし前回書いたように、著作権法では、「ある条件を満たすような利用のしかた」をするときに限って、法による権利の制約を受け、再び私たちは「お礼」を支払わなければならないケースが生じます。

つまり、著作権を持つ作曲家や詩人の権利と、私たち合唱団員の権利の関係は、こんなことになります。(なお、すでに著作権の保護期間が切れた作品に関しては下の図の「B」の部分は関係ありません)

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(注)

著作権法上、必要なのは「許諾」つまり「演奏させてもらう許可」を得ることであって、「お金を払いなさい」とは書いてありませんが、一般的には作曲家や詩人はカスミを食べて生きている訳ではないので、「許諾をもらう」イコール「利用料を払う」と考えたほうがいいでしょう。

ただし、著作権は「財産権」の一種なので、作者が自分の意志で権利を放棄することも可能です。たとえば作曲者が、「広く世の中で歌ってほしい」というような想いをもって、あえて著作権を放棄したり(この場合、演奏の許可を得る必要がない)、あるいは著作権は持っている(演奏の許可は必要)けれど利用料は無料とする、といったケースもあります。

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どうも前回の繰り返しもあって、「三歩進んで二歩下がる」ようですね。じれったくなる人もいるかも知れませんが、お許しください。

私たちはなるべくお金をかけずに合唱を楽しみたい。でも、音楽を職業、つまり生活の糧とする人たちもいる。対立する両者の利害を調整する法律が著作権法です。また、芸術家を芸術家としてリスペクトする、というのもまた著作権法の柱です。

なので、ルールブックに書いてあるから守りましょう、というのではあまり意味がありません。「なぜこのルールはあるのか?」「ルールを守らないとどうなるか?」ということを常に考え続けることこそ大切なことだと思っています。

といってもやはりこのコーナーは「便利帳」ですから、次回は具体的に「演奏会を開くにあたってどうしたらいいか?」というお話に移りましょう。

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