自由学園男子部グリークラブ

荒削りで奔放に、でもときに優しく祈る男たち

部活動ではなく、音楽の授業で生徒有志が結成。そして昨年の東京都合唱コンクールに初出場。「歌うのって楽しい」という雰囲気全開でのびのびとした歌いっぷりで、舞台に新しい風を吹き込んだこの中高生男子たちの母校を訪ねました。この日はクリスマスコンサート。

羽仁吉一・もと子夫妻が創立した自由学園は、1921年の建学以来、キリスト教に基づき食育をはじめ生活や社会とのかかわりを実践しながら学ぶリベラルな校風が特徴。建学直後からベートーヴェンの《第九》を演奏してきたという伝統も、この校風と関係があるのでしょう。

中高の全学年が音楽必修、合唱も全校生徒で。しかし歌が苦手な子がいるのも現実です。どうしたら彼らが音楽を好きになるだろうか?と先生がたが悩み、「クラス合唱をなんとかしたい」と10年間取り組んだ成果が、今回の「男子部グリークラブ」なのだそうです。女子部の生徒たちとの混声、ブルックナーの《Locus iste》(この場所は神により造られた)では全く別の顔も。とても優しい低音が聴こえてきます。その上に力を合わせて内声が骨組みを建て、空から射す光はソプラノ。至福のひとときを過ごさせて頂きました。

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女子部の合唱を客席で聴きながら、彼女たちの歌を鼻歌で歌っている男子を発見。ちょっとした、ステキな音の風景です。

中3から高3まで、歌いたい人は誰でも参加OKという男子部グリークラブ。西武線ひばりが丘駅前でもクリスマスソングを歌いました。

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女声、男声、混声合唱に吹奏楽、弦楽とさまざまな音楽を楽しむ。弦楽、吹奏楽の歴史も古いそうですが今年は指揮に梅田俊明さんを迎えて初の試みとして合同でオーケストラを編成。合唱も加わりヘンデルの《メサイア》を全員で。

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20年以上にわたって本校で合唱指導を続ける声楽家・指揮者 羽山晃生先生

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(2016年2月 204号)