女声アンサンブル桜組

共立女子高校合唱部は、東京都合唱に47年連続(!)という、最多参加記録を持っています。現在の指導者である声楽家・指揮者の野本立人さんが指導を始めて6年目に、OG合唱団として誕生したのが「桜組」です。桜は学園のシンボルですが、近年では、共立女子大への進学が減り、進路は多様化しているそう。「それぞれの進学先で新しい音楽に出あってほしい。」と、敢えて卒業生の面倒をみてこなかったという野本先生ですが、師を慕う教え子たちのキモチに押し倒され、今では卒業生たちのステキな居場所となっています。そして10年。2週間後に控えた演奏会は、新作委嘱初演も含む意欲的なプログラムです。

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そのなかの一曲、『とむらいのあとは』(信長貴富/木島始)は、出版楽譜にはない、ア・カペラのバージョンで。銃の引き金が引けなくなるような、人の心をしびれさせる歌がきっとある、というメッセージを、13人のメンバーがひとり、またひとりと立ち上がってつぶやき、語りかける。まるでそんな「音像」が見えるような演奏。ゆるゆるとしているようで、一人一人が自立した、大人です。

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(2015年5月 201号)