世田谷区民合唱団
厳しい練習のなかでこそ、「音」を「楽」しむ
作曲家・芥川也寸志さんの声がけで集まった「第九を歌う区民の会」のメンバー有志が、「活動を続けたい」という想いを持ち、「世田谷区民のための世田谷区民の合唱団」として1989年(平成元)結成。現在団員数は約160名、区民合唱団として都内最大規模を誇ります。創団当時の団員も30数名在籍。全体的には平均年齢が上昇していますが、近年は再び若い世代の参加も増えつつあるそうです。
音楽監督は東京都合唱連盟理事長も務める金川明裕さん。間近に迫った「せたがや名曲コンサート」へ向けて、モーツァルトの名作《レクイエム》に磨きをかけていきます。
「いま歌ったバスの音階、あななたちは自分でどの音がいいなと思うの?音楽って、そうやって好きな音を楽しまなきゃ、いったいぜんたい何のために集まっているのか、わからないじゃないですか。」とても厳しい練習、一見怖そうな金川先生のメガネの奥の眼が、しかし優しかったりもします。音楽のとても深いところで、じっくりと音を楽しみ、慈しむ。そんな練習を拝見しました。
(2016年2月 204号)