(指揮者:清水 梢さん)
自分が自分であるために
子どもが幼稚園に入園し、少しだけ手が空いてホッとしたとき、「何かやりたいね」と3人のお母さんが意気投合。いつも「○○ちゃんのママ」と呼ばれている自分たちが、「私が私でいる」ための表現手段として、あえて合唱を選んだのだそうです。未就学児とその親の居場所づくりとして江戸川区が設置、運営する「子育てひろば」でメンバーを公募して2010年に合唱団が誕生。保育士による託児もあり、という全国的にも珍しい取り組みです。この日は子育てひろばのクリスマスコンサート。多くの子連れのお客さんで賑わいました。「1ステージだけ一緒に歌いませんか?」という、この日限定で参加したメンバーも加わり、楽しく華やかな舞台でした。
創立メンバーのひとり、ピアニストの池田なつみさんのお子さんは、今ではすっかり大きくなって、東京都合唱コンクールの舞台にも譜めくりとして参加しました。小さいときから合唱を聴いているうちに、モーツァルトの《アヴェ・ヴェルム・コルプス》を覚えてしまったとか。
指揮者に声楽家の清水梢さんを迎え、練習は月3回。清水さんは、お母さんがたの集中力のすごさに驚いています。「お子さんを預けて練習をしなければ、という切ない気持ちが、少しの時間も無駄にしたくない、という思いにつながっているのではないでしょうか。」