江戸川女子中学・高等学校合唱部

(顧問:渡辺文彦さん/指揮:成瀬当正さん)

 

少人数ながらピュアな声と音楽性。「春こん。」やコンクールの舞台にいつも爽やかな風をもたらしてくれる存在です。「どんなに少人数でも、音程がきちんとあっていれば声は必ず聴き手に届く。」指揮者の成瀬当正さんは、この、音程というごく当たり前のことをきちんとやる、という点においてとても厳しいそうです。

顧問の渡辺文彦先生は、高校で合唱と出会い、大学では男声合唱の道へ。男声合唱の指導をしたくて男子校の教師を目指すも、採用されたのは(不本意ながら)女子校でした。でも、その後の彼の合唱ライフは、まさにご自分の合唱音楽の原体験と密接に結びついていました。高校時代、コンクールで聴いた他校のコダーイに感動し、いつかはやりたいと志す。7人の部員でやってみた。できた!「なにかよくわからないけど歌っちゃえ!」生徒たちの食いつきも良かったそう。「顧問が何やら楽しそうにしている部活」というのが生徒にも伝染する。「歌ってみたい」という生徒たちの潜在的ニーズをすくい上げることができ、いまでは中高合わせて45人という大所帯になりました。

今の悩みは、卒業後に合唱を続ける人が少ないこと。「燃え尽き症候群」の克服には何が必要なのでしょうか。もしかすると、答えは渡辺先生ご自身のなかにあるのかもしれません。

(2017年11月 211号)