アカペラとの出会い、喜びのハーモニー

トライトーン 松永ちづる

私はちいさい時から歌うことが大好きだったようです。

幼稚園からヤマハ音楽教室に通い、ジュニア科のオリジナル曲を作る宿題で、歌を作り始めました。基本ピアノ弾き語りのスタイルで、コード(和音)にも親しんでいき、メイジャーセブンスやサスフォーなど、カッコいい響きだなーと思いながら、作曲に取り入れていきました。

さらに音楽の基礎的な勉強が必要との思いから音大の声楽科に進みましたが、自分の好きな音楽はポピュラー音楽だという思いはずっと持ち続けていました。音大卒業後、ピアノを教えたり、アマチュアバンド活動をしたりしながら、やっぱり歌で仕事がしたい、との思いから、ヴォーカルスクールに入学、そのスクールの発表会に、メンバー探しに来ていたのが、当時早稲田大学のアカペラサークルStreet Corner Symphony所属、後にトライトーンの3rdとなる多胡さんと、Bassの貞國さん、2ndの川江さんでした。発表会後の楽屋で彼らに声をかけられて、資料としてカセットテープと連絡先の紙を渡されたところ、ヴォーカルの先生から「早稲田の人は面白いことをしている人が多いから、電話してみたら?」と言われ、そうなのか、となぜか納得して電話、とりあえずこの4人で練習して、サークルライブに出てみよう、ということになり、練習した曲のひとつが「When I Fall in Love」。ある日の練習で、この曲の「I can feel that~」の「feel」の和音を4人で鳴らした時、それはそれは衝撃的で、ハモっている感覚、喜び、気持ちよさ、などなど、ほんの一瞬のことが永遠に感じられて、このハーモニーがずっとずっと続くといいな、と思いました。思えばこの時から、私のアカペラ人生が始まったと言えると思います。

あれから33年が過ぎても、こうしてトライトーンで歌い続けハモり続けてこられたことは、本当に奇跡だと思っています。そしてこれまでの間に、音大時代の親友を通して、清水昭先生を始め、多くの合唱指揮者の先生方にお会いすることができ、トライトーンのサウンドにも興味を持っていただくことができ、これまでにも何度かワークショップをさせていただける機会にも恵まれました。

これからも共にハーモニーを愛する仲間として、合唱をお楽しみの皆様にも、1人一声でハモリ合うアカペラの楽しさ、躍動感、醍醐味などもお伝えしていければと思っています。