練馬児童合唱団

心地いい、みんなの居場所

「合唱を通じた仲間づくりと、豊かな人間性の育成」を目的に、69年に区の教育委員会が結成。毎年7月の演奏会だけでなく、オーケストラとの共演やCD録音など、幅広い活動を繰り広げます。小2から高3まで75名が毎週土曜日午後に集合。発達の年代、そして能力に合わせ4つのグループに分かれたきめ細かい練習カリキュラムで、最終的に全員がひとつの音楽づくりを目指します。

子どもたちの声をききました。「学校の音楽の授業よりもっと深く合唱をやってみたい。」「いい仲間たちがいる。」そして、卒団生も参加した舞台で全員が一緒に歌った経験でさらにまた「新しい世界」を感じたそうです。

指揮者の三輪裕子さんは、学生時代のアシスタント生活を含めるともう40年を超える長い付き合い。受験の相談、そして人生相談も。年下の面倒を見、年上を慕い、憧れる、という大家族の心地よさがここにはあるようで、時にさまざまな悩みや問題も抱える子どもたちにとって、ここは大切な「居場所」。子どもたちの成長の通過点に立ち会い、居場所づくりに関われることは、先生にとっての幸せでもある。そろそろ後継者を探さなくてはならない時期ですが、「児童合唱の指導は楽しい!」ということを三輪さんは若い合唱指導者たちに伝えたいそうです。

「舞台に立つと真剣になる」三輪先生の音楽家としての覚悟を、子どもたちなりに「先生のいいところ」として感じているようです。「練習は厳しくて怖いです。でも根はとてもいい人なんですよ!」

(2017年2月 208号)