(指揮者:奥寺由起子さん)
1960年代の品川区はとても合唱活動が盛んだったそうで、年2回、現在まで実に122回もの区民合唱祭を開催してきたとか。区内の支所ごとに合唱団をつくるという壮大な計画のもと、62 年、荏原第二地区の合唱団として生まれたのが今回お邪魔した「荏原混声合唱団」の前身です。東京都合唱祭にも30年連続出場、また昨年にはシルバーコーラス・フェスティバルに初参加しました。
小学校の、音楽がお好きな教頭先生が合唱団を立ち上げたのち、声楽家となった教え子や、名門男声合唱団「東京リーダーターフェル1925」のメンバー、そしてまた学校の先生へと指導者のバトンは渡され続け、さらにそのまた教え子が声楽家に。それが今の指揮者である奥寺由起子さん。
奥寺さんの歌いながらの指揮はエネルギッシュで、メンバーにもどんどんその熱意が伝わっていきます。対照的にクールな佇まいのピアニスト鈴木賀一さんがさりげなく奏でるピアノがまた滋味溢れ、『ぜんぶ』(さくらももこ作詞/相澤直人作曲)がいい感じに仕上がってきました。泣くこと、笑うこと、怒ること、喜ぶこと。いろいろな想い出が、この音楽室にはあったと思います。団員さんたちそれぞれの長い合唱ライフの活動日記、その1ページとなるこの日の練習が終わり、みなさん自転車で帰っていきました。