気持ちいい響きを、子どもも大人も分かち合う

 

台東区 上野の森ジュニア合唱団 (指揮:川上彌榮子さん)

 1990年誕生。区内在住在学の小1から大学生まで約40人が一緒に歌っています。今日は、1週間後に控えたミニコンサートの舞台となるホールで練習。響きがとても素敵なこの空間が、彼ら彼女らのホームグラウンドです。ここで気持ちよく歌えることが、子どもたちにとってなによりのご褒美、と指揮者の川上彌榮子先生。

「自然でのびやかな声」と「伝わる言葉」をめざし、頭も体もフルに使う。そして自発的に考えて行動する習慣をつける。川上先生の指導はとても厳しいのですが、みんなよく踏ん張る。そして笑顔が絶えません。上級生が小さい子たちを教える姿もとても印象的でした。区立の小学校の音楽教諭であった川上先生の新任時代の教え子も含め、多くの大人が共演者として、そしてスタッフとして働いています。多様な世代が一緒に舞台にいる、という構図はとても素敵です。

音楽の授業時間はかつてと比べて減り続けています。そして台東区内には合唱部がある小学校がない、という事情も。そんななか、地域の合唱団としてめざましい活動を続けています。「とにかく続けていくこと」がなにより大事な課題、と川上先生。合唱団というものが、さまざまな人々にとっての「居場所」として、どう意味あるものとなるか?そのことを考える、いいきっかけをいただきました。