歌い手と聴き手とを、つなげたい

 

早稲田実業学校中・高等部 音楽部合唱班 (指揮:佐藤洋人さん)

 間近に迫った定期演奏会へ向けて、今日は演目のひとつであるミュージカル『ノートルダムの鐘』の舞台稽古。脚本、演出、編曲はいずれも生徒自身によるもの、そして室内楽班の弦楽合奏も友情出演です。中学時代は演劇部に所属していたという川合優里奈さん(高2)が、顧問の鈴木美奈子先生や外部講師の佐藤洋人先生らとともに、念入りに演出のチェックをしていきました。

班長の湯田平啓太さん(高2)の思い出の曲は、コンクールへ向けてひと夏みんなで掘り下げた『ざんざんと降りしきる雨の空に』(寺嶋陸也作曲)。実体験に基づく詩に興味がある、という彼は、東日本大震災を題材とするこの作品に自分たち自身の震災体験も投影し、歌う側と聴く側の共有ができたと、大きな手応えを感じています。

男子校時代からの伝統を受け継ぎつつ、2002年の男女共学化を機に混声合唱として次第に実力をつけていく。その成長の道筋を、二人の顧問の先生、そして佐藤先生も共に歩んできました。日本フィルハーモニーとの共演という、とびきりの音楽体験のチャンスを作ってくれた前校長も、合唱経験をお持ちだそうです。いろいろな舞台に中高生がともに立てる、味わい深く、そして楽しい部活ライフをみんな堪能しています。この記事を読んだ中学生諸君、ぜひ我が校へ!というのが部員と先生一同からの熱いラブコールです。